夕暮れの衝撃

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夕暮れの衝撃

「リナ、今日は翔の試合にお母さんも行くから。」 日曜日の早朝に大きな声をかけられて、思わず布団にもぐった。 「わかったよ。」 「おにぎり置いてあるからね~。」 叫ぶようにしてお母さんと翔がバタバタと出て行った。 うちは母子家庭なので、そうなるともうこの家には私しかいないことになる。 私はトイレに行ってから、おにぎりとマンガ本を持ってまた布団に入った。 ゴロゴロしながら過ごす日曜日。 なんて幸せなんだろう。 私は日がな一日気ままに過ごし、夕方にはなんとなく罪悪感にさいなまれた。 いくら誰にも怒られないからって、こんなんじゃ引きこもりになっちゃう。 私は洋服に着替えて、お得意のブックオフに行くことにした。 都営住宅の玄関を出ると、すでに外はもう薄暗くなってきていた。 自転車置き場からふと目についた黒いワゴンタイプの車。 誰かがそこに置いて近くのコンビニでも行ったのかと思っていたが、車中に人の気配があった。 一瞬、心臓が飛び出るかと思う程に揺れた気がした。 キスしてる。 うちのお母さんだ!
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