第1章

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ダイニングのイスに座り、アリヤの淹れてくれた紅茶とマドレーヌを食べた。 甘くて優しい味は、すこし子どもっぽい気がした。 「おいしいかい?マーティン。」 「あ…うん、おいしい。」 テーブルの向かいに座るブラウン博士も、アリヤからマドレーヌと紅茶を受け取った。 「実は、コレはマーティンの…と言うより私の好物なんだ。」 ブラウン博士はそう言って、甘いマドレーヌを口にした。 「ふふ…博士はいくつになっても子どものようですわね。」 アリヤが博士に向かって、口の横をトントンと指でさした。 「ん?ついてた??」 その光景を、僕は何度も見た気がするし、初めて見たような気もした。 「まぁ、マーティン!マーティンもついてますわ。」 スッと伸びてきた アリヤの細い指。 「あぁ、ありがとうアリヤ。」 僕は戸惑うことなくアリヤに口についたマドレーヌを取って貰い、お礼を言った。 ………ん? また、微かな違和感。 ………ん? それと同時に、またもや驚いた顔の2人。 「どうしたの?」
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