第1章

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「アリヤ…!」 「えぇ、えぇ、博士!!」 2人は目をキラキラさせて、僕を見た。 「さっきの言い方!!」 「まるで蘇ったようでしたわ!記憶が!」 キャーキャーと 2人は手を繋いではしゃいだ。 どうやら、今の言い方は記憶を無くす前の僕にそっくりだったようだ。 2人は余程嬉しかったのか、マドレーヌを食べながら上機嫌で話した。 「やりましたわね!今度こそ記憶が戻るかもですわ!」 「そうだね!今までで一番……っ」 "今までで一番" ? そう言って、ブラウン博士は僕を見て言い直した。 「今の言い方、貴方が記憶をなくしてから、一番貴方らしかったんだよ。」 「えぇ、その通りですわ。」 アリヤもうんうんと頷いた。 『あぁ、ありがとうアリヤ。』 それは自然と出てしまった言葉だけど、あの言い方が? 僕は、少し大人びた言い方が、今の僕には不釣り合いなきがしたけど…。
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