第1章

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それから、微かに2人の僕を見る眼差しが変わった。 記憶は戻っていないけど、以前の僕らしい振る舞いに、2人はすごく喜んでいる。 …どうしてだろう? 僕はそんな2人の姿を見て、とても『可愛らしい』と 思ってしまった…。 年上の筈の2人をそんな風に思うなんておかしいのに、僕は笑みが止まらない。 アリヤのご飯と同じように、僕の胸は一杯になる。 「マーティン?」 呼びかけられ、ハッとする。 窓からこぼれる日差しの中、微笑むブラウン博士。 何か…なにかを思い出しそうになり、だけれど微かな違和感が邪魔をする。 「ゆっくり思い出して。大丈夫。時間はあるから。」
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