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ブラウン博士の後ろの庭には、左は山へ向かう開き戸があり、右には海へ出る開き戸があった。
「庭の外へ行ってみたい?」
僕の視線に気付いた博士は僕に聞いた。
「…うん。行きたい。」
思い出せることがあるかは分からないけど、こんなに晴れた日だ。海はさぞかしキレイだろうな。
「じゃあ、お昼を食べたら海へ行ってみようか。」
ブラウン博士は目を細めて言った。
アリヤも微笑んだ。
「山は?」
「え…?」
庭からは山と海へ繋がっていた。
だから僕は聞いてみたのだけど…。
「…まだ行くには早い…。」
……え?
聞き返したかったけど、ブラウン博士があまりにも悲しい顔をして笑うから。
僕はそれ以上聞かなかった。
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