第1章

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「さて、海に出てみようか?」 ブラウン博士が伸びをして立ち上がり、アリヤは日傘を取りに立った。 玄関へは回らず、そのままテラスから庭へ出ると、そこには花以外に野菜もたくさんなっていた。 あれ? 「あれ?こんなところにトマトなんて、あったかな?」 アリヤを振り返り見上げると、アリヤは口を開けてポカンとしていた。 え?どうしたの? 「まぁ…まぁ!なんてことですの!?覚えてらっしゃいますのね!?」 アリヤがそう叫ぶと、小さな僕に抱きついてきた。 「うわっ!?」 ドサッと尻餅をついてしまい、だけれどアリヤの腕の中は心地が良かった。 「い、痛いよ、アリヤ。」 「ごめんなさい。つい、嬉しくて…。」 アリヤはアンドロイドのくせに、スンスンと鼻をすすった。 「まさか…思い出したの…?」 今度はブラウン博士が目を潤ませて、アリヤの上から抱きついてきた。 「んお、重い!!」 「素晴らしい!あぁ素晴らしい!脳はやっぱり優秀だ!記憶はすでに蘇ってきている!やはり、やはり脳だ!」 ブラウン博士まで加わって、庭の畑で僕らはお団子のように丸まった。 あぁ、土の匂いがする。 そうだ。僕は、この匂いを嗅いだことがある。
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