第1章

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――… 深い眠りの中、水の音がする。 それはとても心地よくて、私はいつまでもそこに浸っていたかった… ―… ――…… 視界が白み、寝ぼけた頭がだんだん起きてくる。 うっすら開けた目には窓から差し込む朝日が眩しくて、私は眉をひそめた。 「おはよう。気分はどうですか?」 「………ん…、………?」 ゆっくりと起き上がると、ここは水の中なんかではなく、フカフカな白いベッドの上だった。 「…………?」 「おはよう。気分はどうかな?」 声の主を仰ぎ見ると、茶色の柔らかそうな髪に緑の瞳。 白衣を着た優しそうな青年が微笑んでいた。
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