プロローグ

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   千葉市中央区のとある住宅街。  地域でも高額所得者の住宅が集まる一画で、一際目を引く純日本家屋。  それは、千葉県議会議員 能見 建造の邸宅である。  県内の建設業界において、その実権の全てを裏で牛耳ると噂されていた。事情通の間では、建設業界のフィクサーと囁かれていたとか。  そう囁かれていたのも、昨日までの事であったのだが。  能見は、自宅の書斎にて携帯電話を机上に投げ捨て、怒気の混じった声を漏らした。 「どいつもこいつも、使えん奴ばかりだな」  彼がそう溢したのも、数日前に発生した火災事件。その現場から発見された凍死体により、殺人事件へと発展。県内は、その事件に注目が集まっていた。  能見自身、その事件とは直接関係無い事が証明された。しかし捜査の過程で、能見の名が浮上し彼の関係者が事件に関与している事が明るみとなる。  織辺 真治。能見の私設秘書であった男。
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