穏やかな朝

3/4
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
「はくたくさま」 顔を洗い終えた丁は僕のもとに駆け寄ってきた。 「ん?何だい?」 腰を屈めて丁と視線を合わせる。 「今日は、卵屋さん遅いですね。」 「ああ、そう言えば、いつもより遅いね。」 丁は卵が好物らしい。 なので、丁の為に週に一回、卵を配達してもらうようにした。 いつもならこれくらいの時間に来るのだが、確かに今日は少し遅いようだ。 「じゃあ、卵屋さんが来るまで庭で遊ぼうか。」 丁は僕の言葉に跳ねて喜ぶ。 本当に、可愛らしい子だ。 「はくたくさま!しりとりしましょう?」 「うん、いいよ。」 草の上に胡坐をかいて座り、膝の上に丁を座らせてやる。 「じゃあ、丁からね。」 「はい!では・・・」 こうして、僕は丁としりとりを始めた。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!