第11章 機先を制する

2/24
前へ
/27ページ
次へ
ドッカーンッ!! くそっ!!インテリが大砲を撃って来やがった!! こちらも船の片側に4ポンド砲と呼ばれる大砲を五門ずつ積んでいる。 「撃てぃっ!!」 俺の掛け声で、こちらも大砲を撃って応戦する。 しかし、手際よく玉を装填する技術は無いので、一回撃ったら終わりらしい。その上、砲手と呼ばれる者に相当な技術が必要なようで、俺はあまり大砲が敵船に当たった所を見たことが無い。 ……と思っていると!! ドガッ!! インテリの船の弾がこちらの甲板に直撃する!! 甲板は破壊され、辺りを爆発の破片が襲った!! 「ぐぁっ!!」 やばい!!たまたま近くにいる者にその破片が直撃をして大怪我をした!! 「やばい!!者共!いったん、物陰に隠れろ!!」 ブルグンが指示を飛ばす!! 「オーバー・ヒート」で無敵になれるとはいえ、あんな砲撃の破片が自分に直撃してはたまらない!! 俺もいったんは身を隠す。 ドッカーンッッ!!ガッツゥッッ!!!! 駄目だ!!また、直撃だ!!なんて腕前だ!!あちらの船の砲手はなんと腕がいいのだ!! 敵は並走させている自船を徐々にこちらに近づけてくる!! くそっ!!乗り込まれる!! ガツゥッ!! ガツッ!! 引っ掛けフックだ!! 「迎え撃てぇ!!」 俺は大声で叫ぶ!! 「駄目です!ジークさん、まだ出ない方がいい!」 横にいたブルグンが慌てて俺に言った!! 「なぜだ!ブルグン?」 「上を!上を見て下さい!!」 ブルグンに言われて、俺は慌てて上を見る。 「前檣(ゼンショウ)の所です」 こんな時ではあるが、ゼンショウとはどこだっ!? そして俺は気付く!!むっ、マストの上に敵が数人立っている!!
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加