第11章 機先を制する

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これから、お互い接舷攻撃に入ると言うのに、マストの上に人がいるのはおかしいではないか!! そしてそいつらは皆、手に壺のような物を持っていた!! そしてそれをこちらの船に向かって投げたのだっ!! 「やばい!手投げ弾です!!」 なんだとっ!? 「下がれっ!!者共隠れろ!!」 俺の「迎え撃て」の掛け声で物陰から飛び出して行った船員達は一瞬、立ち止まる!! そこへ!! 敵が投げた手投げ弾が、こちらの船の甲板に直撃する!! ボンッッ!ボゥッ!! ドンッッ!!ボワッ!! 「うがっ!!」 「がぁー!!」 なんという事だ!!爆発はそう大きくは無いが、手投げ弾とやらが落ちた場所が燃え上がる!! これにより、数人の仲間が火傷を負った!! くそっ!くそっ!くそっー!! そこへ敵が乗り込んで来る!! 「おらっー!!」 「おおぉっっー!!」 ドウッンッ!! ドッキュンッ!!!! 銃声だ!!奴ら銃まで持ってやがる!! 「がぁー!!」 仲間が一人撃たれた!!まずい!!頼りにしているブルグンの子分だ! まず、こちらに乗り込んで来たインテリ海賊の子分は五人だ!! 五人共が片手に銃を構えている!!そしてもう片方の手には短めの斧を持っていた!!片手斧とでも言うのだろうか? 悔しい!機先を制された…… こちらの仲間は今や右往左往するばかりだ!! 「ベルン!!」 俺は叫ぶ!! 「はいっ!!」 少し離れた所でベルンが返事をする!! いつも優しげな感じのベルンだが、今はかなり怒っているようだ!! 俺も怒っている!!自分にだ!! なんたる情け無さだ!!俺の指揮の甘さで数人の仲間がやられてしまった!! 「ベルン!!行くぞっ!!」 「はいっ!!」 俺は叫ぶ!! 「手加減するなぁっー!!」
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