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何とかミスせずに1日が終わったとホッとしていると、元さんが隣に座った。
「お疲れ。史華、お前今日調子悪いの?」
「え?何かミスしましたか?」
「いや、ミスはしてないけど、元気がないような気がして」
良かった。気を抜くと尚の事を考えてしまって、あまり集中出来なかったから。
「すみません。でも大丈夫ですよ」
「そうか。ま、無理はするな」
元さんは私の頭を軽く撫でて仕事に戻っていった。
元さんするどいな………些細なことにも気づいてしまうなんて。
私は事務所を出ると、携帯電話を取り出した。
昨日は動揺していきなり会いに行こうとしてたけれど、おばさんの電話番号を教えてもらっていたことを思い出したんだ。
番号が変わってないかドキドキしたけれど、数回の呼び出し音の後電話が繋がった。
「もしもし、海江田さんの携帯ですか?」
「はいそうですが……もしかして史華ちゃん?」
「はい。ご無沙汰してます。あの……お元気ですか?」
「史華ちゃんは元気にしてた?
電話をくれたのは手紙が届いたのね」
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