奥さまは可愛い幼なじみ

5/45
427人が本棚に入れています
本棚に追加
/85ページ
インターフォンを鳴らすと、扉の中からチャイムが鳴った音が微かに聞こえてくる。 続いて、人が近づいてくる足音。 中から解錠される音がして、ドアノブが回る。 そして、扉が開き……。 ふんわりとした雰囲気の優しい笑みを浮かべた美しい男性が、伊織を出迎えてくれた。 「いらっしゃい、伊織くん」 『こんにちは、優那さん』 伊織を出迎えてくれたのは、伊織が住む部屋の一つ上の階、三階に住む岩崎優那さん。 伊織が熱心に通っている料理教室の先生だ。 美人で料理上手で朗らかで、伊織の憧れの人。 「さぁ、上がって。もう皆、来てるから」 『はい、お邪魔します』 優那に促され、リビングに向かうと伊織と負けじ劣らぬ二人の可愛らしい青年が、ソファに座って寛いでいた。 「遅いぞ、伊織」 どうせまた昼寝でもしてたんだろうと、横山瑞希(よこやまみずき)が声を張り上げた。 横山瑞希は、伊織が住む部屋の隣に彼氏と同棲している。 性格は、気の強い生意気な感じの可愛らしい美青年で、伊織とは真逆だが何かと気の合う住人のひとりだ。 そして、もう一人。
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!