奥さまは可愛い幼なじみ

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ごめんなさい、と上目遣いに優那を窺うと、やれやれと優那は眉を潜めた。 「煮込みは終わったから、お腹を空かせている伊織くんに味見をしてもらおうかな」 『いいんですか』 小皿に白いご飯と出来立てのカレーをよそい、小さなカレーライスを作ると優那は「はい、どうぞ」と伊織に手渡した。 『いただきます』 嬉しそうに小皿を受け取り、ふうふうと冷ましてカレーを頬張る。 その瞬間、あまりの美味しさに幸せそうに目を閉じて、んーっと唸ってしまった伊織を見て、皆が笑った。 『これなら何杯でも食べれそう』 美味しい美味しいと言って食べて、あっという間に平らげてしまった。 「たくさん作ったから、お鍋に入れて持って帰えるといいわ。お鍋は忘れずに持ってきた?」 『はい。早く湊に食べさせてあげたいな』 まだ料理のレパートリーが少ない伊織にとって、マンション内で料理教室を開いてもらえるのはとても助かる。 湊は伊織が作った料理を美味しいと言って残さず食べてくれるけれど、もっと料理上手になりたい。 皆でキッチンの後片付けをしたあと、優那からのお茶の誘いにのり、伊織たちはリビングに向かった。
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