428人が本棚に入れています
本棚に追加
ソファに腰を下ろすと優那が、「皆が来る前に、ケーキを作ったんだけど食べる?」と問いかけてきた。
伊織は『ケーキ!?食べます!』と笑顔で答え、日向は軽く頷き、瑞希は「食べる食べる」と、目をキラキラと輝かせた。
「今、紅茶を淹れるから、ちょっと待っててね」
そう言い残し、優那はキッチンへ引っ込んだ。
優那がキッチンでお湯を沸かしている間、手持ちぶさたになってしまい、伊織たちは何をするでもなく、ソファで寛いでいる。
時折、スマホをいじったり……。
ふと何かを思い出したかように、伊織がスマホから顔を上げて日向を見た。
『そう言えば、日向さんの悩みごとってなんですか?』
伊織のその言葉に、瑞希が食いついてくる。
「オレもすげぇ気になる。オレたちでよければ相談にのるぜ」
「だからさっきも言ったけど、本当に対した悩みじゃないから……」
『対した悩みじゃなかったら言えるでしょ?それに僕たち友達じゃないですか。僕たちじゃあ、役不足ですか?力にはなれませんか?』
「そうそう、水くさいぞ。ひなちゃん」
伊織たちに詰め寄られ、日向は渋々白状した。
最初のコメントを投稿しよう!