ヤミナベ・ゲーム1順目

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 ――あなたの本当に好きなモノは、何? ある日突然閉鎖空間に集められ「ビーストゲーム」を強要させられることになった学生たち。 こちらは、その参加者たちがまったり闇鍋ゲームをするという内容です。 ビーストゲーム本編は電子書籍Rentaさんとパピレスさんにて配信中。http://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/90427/ (現在1巻無料) デスゲーム、ボーイズラブ小説です。 「……えっ?」  気付けば俺は再び見知らぬ場所にいた。  そして俺の周囲にはよく知っている人物が7人。  ……いや、俺には彼ら以外の記憶を持っている人間は誰もいないのだから、俺にとって唯一無二の存在になるのかもしれない。 「え?」 「……は、何だ?」  彼らもまたこの状況に驚いているのか、次々と困惑の声が口から漏れている。  まあ、無理もない。  つい先程まで、俺たちはビースト・ゲームの会場にいた。  ビースト・ゲーム……俺達の中に紛れた淫獣を探して殺し合う……時に愛し合うゲーム。  教室のような空間に、向かい合った机が8つ。  そこで、“執事”の説明を受けていた筈、だったのに…… 「今度は一体何だってんだ!?」  一際大きくエーガの声が響く。 「どうゆう意図があるんでしょう……」  次に聞こえてきたのは真奈斗の声。  口々に響く7つの声に心の中で溜息をつきながら、俺は頭の中で状況をまとめ始めた。  俺は、千尋流星。  突然ビースト・ゲームというものに参加しなければいけなくなった。  そして同じくゲームに参加することになったのが……  同じクラスのエーガ。  本名は少し違うが名前についてはここで深く突っ込みたくない。  そして同じクラスの旭。  それから、学校は違うが生徒会長をやっているという真那斗。  副会長で眼鏡の厳しそうな生徒は蒼央。  彼らの友人で引き籠りらしい生徒が小由。  同じく友人の、日に焼けた元気そうな生徒が戒。  そして……ひとつ年下の夕凪。  ここにいる全員がゲームの参加者だった。  ついでに言えば、俺たちはこの参加者以外の記憶すら失ってたり、参加者の間にはある共通点があったりするのだが……  やっぱり、ここでは説明したくない。  何故ならこの場所は、あまりにも今までの空間とは雰囲気が違っていたからだ。
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