0人が本棚に入れています
本棚に追加
「あのさ……お前って……優香の弟の優人、だよな?」
朝から変だと思っていた。
こいつら姉弟は双子ではないけど、顔立ちから体型、それに声まで、とてもよく似ているんだ。
「よかった」
「え?」
「やっとバレた」
そう言って、ほろりと涙を流す。予想は見事に的中したらしい。
「正直ね、男としての自信を無くしかけてたんだよ」
「……それはいいけど、肝心の姉はどこ行きやがった」
「秋葉原。今日は新作ゲームの発売日だって」
「なっ!? あのオタクめ!」
人生で一度きりの日を何だと思ってやがる。
幼稚園時代からの幼なじみを連れ戻すため、俺は教室を飛び出した。
最初のコメントを投稿しよう!