亡国の姫君

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………夢ではないのだろうか。 エリーニ姫は長いこと自分に仕えている侍女に記憶の断片を話し、聞いてみることにしました。 私の記憶は夢? それとも真実なのかしら……。 侍女は真実だと答えました。 そしてエリーニが実の父親とは死に別れていることを教えてくれました。 それからエリーニの母親が王様を嫌っていたことや、王様の愛から逃れるために自ら命を絶ったのだと語りました。 真実を聞き終えたとき、エリーニ姫の中に、何かとても暗い感情が芽生え、同時に王様への親愛は消え始めました。 そして自分を取り巻く状況が、とても恐ろしいと思うようになりました。 このままではいけない。 でもどうしたらいいのだろう。 エリーニ姫は悩みました。 そんな姫の様子が、何かに怯えているようにも見えたのか、 心配した王様は、姫の護りをもっと強固なものにしようと考え、国で一番腕が立ち、信頼できる騎士を一人、姫の護衛に就かせることに決めました。
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