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「ねぇ七美」
「ん?」
「実は……」
ゆつきは切り出しづらくて口ごもる。
「何よ?」
「あのね……」
「だから何?」
「ん~~~~」
「だから~~~何?」
「とあのお墓参りに行きたいんだけど、ダメかな?」
「ああ、そっか」
七美はいったん視線を下に外した。
「行っちゃダメ?」
「いや、ダメじゃないけど、向こうの家族に会わないようにしないと」
「やっぱりそう思う?」
「うん。もし私が向こうのご両親の立場だったら、大事な娘を殺しといて、ノコノコ出てきやがって! ってなると思う」
「だよね」
「七年たって、ゆつちゃんは世間的には許されたけど、被害者の立場で考えたら、一生許せないと思うし、七年たってある程度心の痛みが薄れてきているところに、ゆつちゃんが現れたら、また怒りがぶり返すと思うから」
「そっか……」
「自宅でご焼香なんっていうのは、絶対に無理だと思うけど、バレないようにお墓を参るなら、大丈夫なんじゃないかな」
「七美的には、ワタシがとあのお墓参りに行くのはOK?」
「それはもちろんOKだけど」
「そっか」
ゆつきはそれを聞いて、やはり行きたいと思った。
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