〔十一〕プロダクションブレーブ

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「事故の後、芦屋満留がヨコハマ映像に行ってますね、その時何も言わなかったんですか?」 「もちろん言いました。そもそも事故が呪いのせいなのかって。  そしたら『そうだ』って、そして『途中で呪いは止められない』って」  実際、その直後に大西が自殺をした。  満留は竹田に鬼になれと言った、復讐の鬼に。そうしなければ妹の無念は晴らせない。  怯えながらも彼は犠牲者に目をつぶり、呪いの進行を放置した。もう、後戻りは出来ないのだ。 「本当は誰かに止めて欲しかったんっス、だからここに来たんスよ。でも、それでも呪いは……」 「解けます」  そう言って刹那は小さな袋を取り出した。 「この中に呪いに使われた物が入っています。これをあなたが燃やせば、呪いは解けるはずです」 「ホントっスか?」 「たしかな筋に確認したので間違いありません。燃やしてくれますか?」 「はい、もちろんっス」  刹那は消火用のバケツを用意した。  その上で竹田は呪いに使われた髪の毛と血を燃やした。  すると亜矢のそばに立っていた〈影〉の姿が薄らいでいき、やがて視えなくなた。  自分の身体(からだ)に帰ったのね。  パトカーのサイレンが近づいてきた。
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