私へ

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A「さようなら」 そう言って目元の涙を拭ったのはもう一人の私だった。 B「あなたには随分と困らされたね」 A「ホントだね。ねえ、覚えてる?去年の夏のこと」 B「もちろん!忘れるはずないじゃん」 A「私ったら折角誘われたのに意地はってさ」 B「勿体ないことしたよね。あ、そういえば、もうずっと前のことだけど、七五三の衣装でドレス着たことあったじゃない?あの時、嬉しいくせに不貞腐れちゃってさあ」 A「そうそう!すぐに脱いじゃったよね」 B「うん。懐かしいなあ。……本当にいっちゃうの?」 A「……もう18だからね。いつまでも昔のままではいられないよ」 B「……私ももう子供じゃないのね。18年間ありがとう。さようなら、……素直になれなかった私」
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