0人が本棚に入れています
本棚に追加
A「さようなら」
そう言って目元の涙を拭ったのはもう一人の私だった。
B「あなたには随分と困らされたね」
A「ホントだね。ねえ、覚えてる?去年の夏のこと」
B「もちろん!忘れるはずないじゃん」
A「私ったら折角誘われたのに意地はってさ」
B「勿体ないことしたよね。あ、そういえば、もうずっと前のことだけど、七五三の衣装でドレス着たことあったじゃない?あの時、嬉しいくせに不貞腐れちゃってさあ」
A「そうそう!すぐに脱いじゃったよね」
B「うん。懐かしいなあ。……本当にいっちゃうの?」
A「……もう18だからね。いつまでも昔のままではいられないよ」
B「……私ももう子供じゃないのね。18年間ありがとう。さようなら、……素直になれなかった私」
最初のコメントを投稿しよう!