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「もし時間をお金で買える世界なら時間を無駄になんてしないでしょうね、勿体なくて」
「どうかな。ついついお金も無駄遣いしちまうからな」
先生は何故か3日ほど前にシャンデリアを買っている。理由は自分でもよく分かっていないらしいがなんとなく面白いのではないかと思ったらしい。現在四畳半の和室にはでかでかと51万円したというシャンデリアが吊るされているそうだ。購入して以降地震に怯えていると話す先生はあまりに滑稽であった。
「お金で時間を買って、その時間で働いていたら面白いですよね」
「よっぽど死ぬのが嫌なんだろうな。まぁその稼ぎ方が時給制でなければアリだけど」
「っていうと?」
「時給ってのはアレ自分の時間を売ってるんだよ。『私の時間の使い方を決めていいですよ』って。それで『じゃあ、あなたはこの時間この業務をやります』って決めるわけ。ただ1日は24時間しかないし、24時間全部は売れないから限度がある。時給1,000円として8時間働いたとしたら8,000円貰えるわけだけどこれって
1+1+1+1+1+1+1+1=8
っていう両手で出来る足し算なのよ。
実際に時間が売ってたとしても1時間が時給以上の値段だったら時給で働いてるやつは買う意味ないんだよね」
うんうんと頷く僕に先生は話を続けた。
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