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ーー・・・寒い。
ここは、どこだろう?
眼を開けると一面雪景色の中で僕は横たわっていた。
轟々と吹雪いている。
止む様子はない。
いつからいたのだろう。
もう全身の感覚が麻痺してしまっている。
意識が朦朧として頭の中で死が過る。
僕は再び眼を閉じ、静かに眠りに就いた。
ーーーおい!しっかりしろ!
大丈夫か?そいつ
やばい、全身凍傷を起こしかけてる!
はやく運ぶぞ!
ハッと眼を覚まし勢いよく身体を起こした。
「ここは・・・?」
毛布を幾つも重ねてあった。
木造の一軒家だろうか?
テーブルや椅子が並べられたリビングの端に僕は寝かせられていた。
「・・・暖かい」
奥からはシチューのいい香りがする。
不意に扉が開き、10歳くらいの活発そうな少年が入ってきて目が合った。
「おい、みんな!あの子が眼を覚ましたぞ!」
その一声で、一斉に子供達がリビングへ集ってきた。
「ほんとだ!もう大丈夫なの?」
「身体は大丈夫?どこか痛くない?」
「どこから来たの?名前は?」
矢継ぎ早に質問されて何も言葉が返せない。
「あ、えっと・・・」
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