別れの時

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ーー二○一六年 3月10日ーー 先生 「生徒諸君、卒業おめでとう!これからはそ れぞれの道に向かって頑張ってくれ。」 クラス「はい!」 先生 「よし、それじゃあ風華、前に出てくれ。」 風華 「ふぇっ!?私ですか?」 先生 「ああ、お前だ。」 風華 「ど、どうしてなんですか?」 先生 「いいから早く。」 風華 「は、はい。」 生徒A 「みんないくぞ、せーのー!」 パァン パァン 風華 「ひゃあっ!?」 生徒B 「風華ちゃん、1年間ありがとー!」 生徒C 「お世話になりましたー!」 生徒D 「我らの誇り、風華ちゃん!」 風華 「ふぇ?え?どういうことですか?」 先生 「皆、お前に感謝してるんだよ。1年間とい え、このクラスを引っ張って来たんだ。しかも引 っ越して来たばかりでな。」 生徒E 「先生の言う通り。」 生徒F 「皆、感謝してるよー!」 先生 「ま、そういうことだ。ほら受け取れ。」 風華 「え?あ、あの、この花束は……?」 先生 「それは俺からだ。」 生徒G 「そして、俺たちからはこれだ。」 風華 「これって……、寄せ書き?」 生徒G 「ああ、全員のコメントが載ってるぞ。」 風華 「みんな……、ありがとう!大事にするね!」 先生 「じゃ、最後はクラス委員さんにしめてもら うかね。」 風華 「はい!えと、まず始めに、私の為にこんな 立派な寄せ書きを書いてくれてありがとうござい ます。先生も、花束、ありがとうございます。」 先生 「ああ、気にすんな。」 風華 「…私は、高3になったばかりの時にこのク ラスに来ました。始めはとっても不安でしたけど、 みんないい人たちで、すぐクラスに馴染めて、ク ラス委員にまでなることができて……。…………私 は…………と、とっても……………嬉しかったです。」 生徒B 「がんばれ、風華ちゃん。」 風華 「う、うん。………ごめんなさい。ほんとは、 泣きたくなかったんだけれど……、今までのこと思 い出してたら、………涙が………。」 生徒 「……グスン。」 風華 「最後に……、お願いです。」
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