小野山美子

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お風呂から上がり、自分の部屋に戻った私は、部屋の窓から見える景色を眺めていた。 と、言っても、真っ暗で何も見えないんだけど。 昼間は川と土手の向こうに、大きな学校を建てている工事現場が見える。 私と美紀ちゃんと、もう一人のお友達といつも遊んでいた場所だ。 今は工事の邪魔になるから、少し離れたところで遊んでるけど。 「大きい学校、いつ建つのかな。あそこで遊べたら面白いだろうなあ」 なんて、完成したら遊べないだろうという事はわかっていたけど、建物が完成に近付くのはワクワクする。 頭の中では、皆でかくれんぼをしたり鬼ごっこをしたりしている光景が思い浮かんでいた。 まだ暑さの残る夜。 少しだけ窓を開け、部屋の照明を消してベッドに横になった私は、ミミちゃんを抱き締めて目を閉じた。 「おやすみ、ミミちゃん」 眠る時は、楽しい事を考える。 そうしなければ、変な事を考えてしまって、怖くなってしまうからだ。 あの音や、美紀ちゃんが引き寄せてしまうという悪い何か。 そんな事を考えないようにと。 フワッ、フワッと、眠りに落ちるような感覚に包まれて……私はすぐに眠りに就いた。
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