小野山美子

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ど、どうして……。 手を離したのに、ひとりでにドアノブが回っている。 目の前で起こっている事が信じられずに、何もする事ができない。 まだ寝惚けている頭で、考える事ができないのだろうか。 それでもドアノブは、回るのをやめなかった。 そして……。 ドアが開かれた。 ギイィィィィ……と、油が切れて、悲鳴のように聞こえる音を上げながら、私の方に向かって来る。 何が起こっているのかわからない。 だけど、恐ろしい事が起こっているんだと、身体が理解している。 全身を、冷たい手で撫で回されているかのような不快感が包む。 「な、何……何が……」 私の左肩をかすめるように開かれたドア。 廊下には……誰もいない? 一体何が起こって、ドアが勝手に開いたのかわからない。 恐る恐る廊下を見ても、誰もいる気配はないし、いた形跡もなかったのだから。 「ま、また美紀ちゃんのいたずらだよね」 そう考えた方が、怖くなくて済む。 こんな夜中にいたずらされるのは腹が立つけれど、きっとそうだと思い、廊下に顔を出して隣の部屋の方を見た。 すると私の目に……思いもよらない物が映ったのだ。
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