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わからない、わからないよ。
今のこの状況が、全くと言って良いほどわからない。
学校の事を話さないのは、私達を気遣ってくれているのだろうと思えるけど、隣に座ってご飯を食べているのが誰なのか。
気になって、箸が進まない。
「……美子、食べられるだけで良いから食べなさい。無理は言わないから」
全然食事に手を付けていない私を見て、おじいちゃんが心配してくれたのか、優しく声を掛けてくれた。
そうじゃない……隣にいる美紀ちゃんは、本当の美紀ちゃんじゃない!
どれだけそう言いたかったか。
違うという確証もなければ、今、この上の階で美紀ちゃんが本当に寝ているのかどうかもわからなくて。
結局何も言えずに、ご飯を食べるしかなかった。
食事の途中で席を立つとおじいちゃんに怒られるから、美紀ちゃんよりも早く終わらせて、部屋に行ってみよう。
この場で訊きたい事は色々あるけど、それは後で良い。
カレイの煮付けやほうれん草の和え物を口に運んだ。
元々給食を食べていなくて、おまんじゅうも半分しか食べられなかったからお腹は減っている。
その姿を見てパパもママも安心したようで、微笑みを私に向けていた。
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