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だけど、何もしなければ何もわからないよね。
ミミちゃんをベッドの枕元に置いて、私はパパと話をしようとベッドから降りた。
美紀ちゃんが食事が終わったんだから、パパももう終わっているはず。
また変な事が起きる前にと、部屋を出た私は一階のダイニングルームに向かった。
階段を下りている最中、おじいちゃんがリビングの方に向かう姿が見えた。
もしも、パパが食事を終わらせて、リビングに行っているとしたら……あの廊下を通らなきゃならないんだよね。
まだいますようにと、祈りながら階段を下りて、ダイニングルームのドアを開けた。
「ん?美子じゃないか。どうしたんだ?食事の後に来るなんて珍しい」
まだパパはいた。
ママも一緒に食後のお茶を飲みながら、談笑している。
「フフッ、美子ちゃんだって、たまにはパパともお話ししたいのよね?」
「おお、なんだそうか。ほら、こっちに来い来い。仕事でなかなか話す機会なんてなかったからなあ」
ママは、私が話したがっているってわかっていたみたいだ。
パパも嬉しそうに笑顔になって、私が席に着くのを待っていた。
おじいちゃんはリビングに行ったし、訊くには絶好のチャンスだ。
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