呪われた邂逅

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「パパさ、昨日言ってたよね?思春期の子供がどうとかって」 ママの隣、自分の席に座ってそう尋ねると、二人の表情が全く正反対になった。 「もう、あなたがおかしな話をしたから、美子ちゃんが興味を持っちゃったじゃない」 「何を言ってるんだママ。色んな事に興味を持つのはいい事じゃないか。えっと、昨日の話だとあれだ、ポルターガイスト現象だ」 ポルター……え?何? そのなんとか現象がどうだって言うんだろう。 「それが窓ガラスを割ったりするの?教室の窓ガラスが、バーン!って割れたけど」 「それがずっと続くようなら、その可能性はあると思うけどね。だけど、どうやら昨日だけだったみたいだし、パパの予想は外れてしまったわけだ」 呆れるママを尻目に、パパはポルターガイスト現象について詳しく教えてくれた。 海外ではもちろん、古くは日本でもあったらしく、家の中の物が勝手に移動したり変な音が鳴ったり。 それが一回ではなく、何度も起こればポルターガイスト現象だと教えてくれた。 思春期の子供がと言ったのは、パパが聞いた話には年頃の女の子が多く登場するからだったらしい。 学校の窓ガラスが割れたのは一度だけ、だけど……夜に部屋にいると、軋むような音が聞こえるという点だけが、その話と少し重なっていた。
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