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小さな命?穢れ?
美紀ちゃんが何を言っているのか全然わからないよ。
だけど、これが夢だって、今言ったよね?
私が怖い怖いと思っているから、こんな夢を見るのかな。
美紀ちゃんじゃない、別の美紀ちゃんがいるなんて考えたから、こんな夢を見てしまったのかな。
何を考えていても、胸を撫でる手は止まらない。
しばらくして、その手が私の身体から離れた。
と、同時に弾け飛ぶパジャマのボタン。
胸の部分が開かれて、再び美紀ちゃんの指がそこに当てられる。
そして……。
氷のように冷たい指が、まるで豆腐にでも埋めているかのように、私の体内に侵入して来たのだ。
ああっ!痛い痛い痛い痛い!
やめて、やめてよ美紀ちゃん!
いくら叫ぼうとしても、もがこうとしても、それは私の頭の中だけで、身体は言う事をきいてくれなかった。
肉が裂け、骨が砕かれる。
グリグリとドリルのように指を回して、傷口を広げた美紀ちゃん。
呼吸もままならなくなって、息苦しさが襲い掛かる。
どうしてこんな目に遭わなきゃならないの?
私が何か悪い事をしたの?
どれだけそう思っても、目の前の美紀ちゃんは笑顔で胸の傷を広げるだけだった。
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