穢れ

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パパも嬉しそうに、ニッと歯を見せて笑ってくれた。 「赤ちゃんが……いるの?美子ちゃんの妹が産まれるの?」 「フフッ。まだ男の子か女の子かは知らないの。産まれるまで知らない方が、楽しみがあって良いでしょ?」 私の頭を撫でながら、微笑んでくれたママ。 お姉ちゃんになる……弟か妹が産まれる。 その言葉で、おねしょをした事だけじゃなく、嫌な事が全部吹き飛んで、今までに味わった事のないような幸せな感覚に包まれた。 「やった、やった!美子ちゃん、お姉ちゃんになるんだ。お姉ちゃんになるんだね!」 喜びのあまり、ママにギュッと抱きついて、その場でピョンピョン跳ねる。 泣き声は歓喜の声に変わり、ママもパパも嬉しそうに私の頭を撫でてくれた。 「本当は一昨日言うつもりだったんだけどね。お友達があんな事になってしまったから言えなかったの」 一昨日は……和田くんが死んだ日だ。 あの日は色んな事が起こった、最初の日。 パパとママが帰って来た次の日に起こったんだよね。 いや、夜中に帰って来たから……日が変わっていたから、その日の出来事なのかな。 何にしても、悲しい事が起こる中で、私にはとても幸せな話だった事に違いはなかった。
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