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おねしょをした事も忘れて、急いで二階に駆け上がった私は、真っ直ぐ美紀ちゃんの部屋に。
早く教えてあげたい。
私達がお姉ちゃんになるんだよって。
その思いだけで階段、廊下を走って部屋の前。
ドアノブに手を掛けた時、一瞬昨夜の夢が脳裏をよぎり、慌てて手を離した。
怖かったけど、あれは夢なんだ。
夜になると美紀ちゃんが不気味に見えるからって、夢と現実は違うよね。
気を取り直して、ドアノブに手を伸ばしたその時だった。
カチャッとドアノブが回って、ドアが開き始めたのだ。
美紀ちゃんが先にドアを開けた。
ただそれだけなのに、私の行動が見透かされているのかと不安になってしまう。
そして……隙間から覗いた美紀ちゃんは。
「わ、わわっ!美子ちゃん!?な、何か用?」
慌てた様子で、私を見るなりドアを閉じたのだ。
ちょっと見ただけだけど、不気味な感じは全然なかった。
私が知っているいつもの美紀ちゃんだとわかって、安心して口を開いた。
「美紀ちゃん、美子ちゃん達、来年にはお姉ちゃんになるんだよ!ママのお腹の中に、赤ちゃんがいるんだよ!」
私がそう言うと、驚きと喜びが混ざったような表情を浮かべてドアを開けた美紀ちゃん。
でも……パジャマの下が濡れていて、美紀ちゃんもおねしょをしたんだというのがわかった。
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