穢れ

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朝ご飯が終わり、今日は何をしようかなと考えながら庭に向かった。 休みの日にはいつも、ブランコに乗ってしばらく考える。 そして閃いた事をするというのがお決まりだ。 ドアを開けると、私の全身を撫でるような優しい風が吹き抜ける。 夏の生ぬるい風とは違って、少しだけ冷たくなった風が心地よく感じる。 「あぁ……気持ちいい」 目を閉じて風に吹かれると、まるで草原にでもいるかのような錯覚を覚えるよ。 そんな妄想の世界に、もう少しだけ浸っていたかったのに……。 「ふーん、なるほどなあ。気持ちええから寝小便こいたんか?双子はこんな時でも同じなんやな」 一気に現実に引き戻すその言葉に、私は思わず声がした方を見た。 こんな朝早くだっていうのに、一夫くんが興味深げに私と美紀ちゃんの布団を眺めている。 「え!?え!ちょっと!なんでこんな朝早くからいるのよぅ!見ないで見ないでぇ!」 事の重大さに気付いた私は、慌てて一夫くんに駆け寄った。 人に見られるだけでも恥ずかしいのに、よりによって一夫くんに見られるなんて! だから庭には干してほしくなかったのに!
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