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「安心せぇや、小学五年生にもなって、姉妹揃って寝小便したなんて誰にも言わんから」
他の誰にバレなくても、一夫くんにバレたのが辛い。
今までに出した事のないような足の速さで、お布団と一夫くんの間に割り込むけど……遅いよね。
なんだか、私も美紀ちゃんも大切な何かを失ったような気がする。
「は、はは……こんな早くから、一夫くんはなんでうちにいるの?まだ8時だよ」
「遊びに来ただけやけど?そんなに早いか?8時やったらもう学校におる時間やろ?」
確かにそうなんだけど、お休みの日くらいゆっくり寝たいと思う人もいるじゃない?
まあ、私は早くに起きてたんだけどさ。
「別に良いけどね。じゃあ何して遊ぶ?あ、美紀ちゃんも呼んで来ようか」
「そうやな、遊ぶなら三人の方がええやろ」
一夫くんも、本当に友達がいないんだな。
五年生なら、男子は男子だけで遊んでそうなもんだけど。
まあ、私達も似たようなもんだから、気持ちはわかるんだけどね。
外に出たばかりだけど、美紀ちゃんを呼びに家の中に戻ろうと歩き始めた。
すると、玄関のドアが開いて、ママと手を繋いだ美紀ちゃんが外に出て来たのだ。
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