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「う、嘘よ……こ、こんな……あ、ああっ!いやああああああああああああああああっ!!」
お盆ごとお粥を床に落とし、腰を抜かして気が狂ったように叫んだママ。
それに驚いたパパが部屋から出て来て、この部屋の中を覗いた瞬間。
「な、なん……う、うわああああああああああああああっ!!み、美紀ぃぃぃぃぃぃっ!!」
頭を抱えたまま膝から崩れ落ちて、悲鳴を上げたのだ。
パパ、ママ……ごめんね。
心の奥底にいた私が呟いた言葉は、誰にも届かない。
恨みと憎しみが三男の力で暴れて、私をこんな化け物に変えた。
双子の姉を殺して、その血で赤く染まった服を見て喜ぶ化け物に。
「もう。そんなにお姉ちゃんと一緒にいたいの?甘えん坊なんだから」
背後から……そんな声が聞こえた。
化け物となった私が、その声に驚いて振り返ると、そこにはニタリと不気味な笑顔の美紀ちゃんが立っていたのだ。
「驚かなくても良いでしょ?美子ちゃんが幽霊になったんだから、美紀ちゃんだって幽霊になっただけじゃない」
そう言って、私に手をかざすと、美紀ちゃんは子守唄を歌い始めた。
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