壊れゆく日常

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「ミミちゃん。あのね、今日クラスメイトが川で溺れたの。学校でもおかしな事があったんだよ。教室の窓ガラスが割れてね、大変だったんだ」 ベッドの端に腰掛けて、ミミちゃんを抱き上げた私は、今日の出来事を吐き出すように話していた。 言わなければモヤモヤが消えないし、言っても不安が消えるわけじゃないんだけど。 それでも、誰かに話を聞いてもらいたいし、美紀ちゃんが不気味だなんてママには言えないから。 「何が起こってるんだろうね。美子ちゃん怖いよ。ミミちゃんはずっと一緒にいてね」 そう言った後に、ミミちゃんを頷かせて、ギュッと抱き締めた。 それくらいしか、私に出来ることはないから。 このまま眠ってしまいたいけど、まだお風呂にも入ってないし、ママが来てくれる。 いっぱいお話しをして、子守唄を聴きながら眠りたいから我慢しなきゃ。 パパ達が、ご飯を食べた後にいるリビングルーム。 テレビもそこにあって、行きたいんだけど……その部屋は、「あの」廊下を通らないと行けない。 何かがいそうなあの場所を夜に通るのは……怖くてとても出来そうになかった。 だから、こうして自分の部屋でミミちゃんを抱き締めるしかないのだ。
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