壊れゆく日常

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ママを待ちながら、ベッドの上でうつらうつら。 半分現実、半分夢の中で、境界を行ったり来たりしていた。 まぶたが重くて、頑張って開けようとしているんだけど、抵抗も虚しく落ちて行く。 そんな中で、あの音が今日もやって来た。 ミシッ……。 ミシッ……。 階段側の壁から、軋むような音が聞こえる。 相変わらず、壁を「歩いている」ような音が。 その音は、何度かうろうろした後……今度は、廊下側の壁に移動する。 ミシッ……。 ミシッ……。 私の真横で、ピタリとその音は止み、沈黙が流れた。 いつもなら、怖いと思うんだろうけど……今は半分夢の中で、これが現実かどうかの区別が付かなかったから。 今日だけは、この不可解な音も、怖いと感じなかった。 そんな私を知ってか知らずか、足音は再び移動を始める。 一直線に、ドアの方へと向かって。 あ……そっちはダメ……。 夢うつつでも、そう思ったのはなぜだろう。 きっと……このドアが、私と足音を繋げてしまう、唯一の物だから。
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