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「ひやぁっ!あ、ああっ……」
夢の中の美紀ちゃんが怖かったせいか、声にならない声を上げて、慌ててベッドの上に足を上げた。
「美子ちゃん、どうして驚いてるの?一緒にお風呂行こう?」
廊下が暗かったからか、それともあんな夢を見たからそう見えたのか……。
不気味に思えた美紀ちゃんの笑顔は、昼間に一夫くんに見せているのと同じで、優しい笑顔だった。
いつも、夜に見せる不気味な笑顔じゃない。
「お、お風呂……う、うん。だけど美紀ちゃん、ノックくらいしてよね。びっくりするから」
「ノック?したよ?でも美子ちゃん、眠ってたから気付かなかったんじゃないかな」
ドアを開けた時には寝てたって事は、結構早いうちに横になってたのかな。
嫌な事や変な事が多くて、頭がどうにかなってしまいそうだよ。
その中で、美紀ちゃんが不気味じゃないのは良かった。
ご飯を食べた後はおかしく思ったけど、きっと、照明の当たり具合でそう見えたんだと信じよう。
今も、そうだったんだから。
ベッドから起き上がり、タンスから替えの下着とパジャマを取り出して、私は美紀ちゃんとお風呂場に向かった。
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