5746人が本棚に入れています
本棚に追加
「ラーラララーラララララララー、ラーラララーラララララララー。二人は良い子だねんねしなー」
沢山ママと話して、うつらうつらとしてきた私達に、ママが子守唄を歌ってくれている。
やっぱりママの声は好きだ。
包まれているように温かくて、すぐに眠れる。
緩やかに落ちて行くような感覚が、フワッ、フワッと私を襲う。
徐々に、ママの声も聞こえなくなって。
美紀ちゃんと手を繋いでいた私は、心地良い夢の世界へと落ちて行った。
「ラーラララーラララララララー……」
子守唄が聞こえる。
ママがずっと歌ってくれているのかなと思ったけど、なんだか違うみたいだ。
声が細いと言うか……子供のような。
それに、息をするのも苦しくて……たまらず目を開けると、そこには美紀ちゃんの姿があったのだ。
「ラーラララーラララララララー。フフッ、眠っていれば、苦しまずに死ねたのに……」
私の上に馬乗りになって、胸に手をかざしてニヤニヤと笑っている。
「み、美紀ちゃん……なんで。やめて、どうしたの?」
そう、声を出したつもりなのに声が出ない。
最初のコメントを投稿しよう!