5731人が本棚に入れています
本棚に追加
/475ページ
「ああっ!……ハァ……ハァ……あ、あれ?生きてる……」
目を覚ますなり、胸に手を当てて昨夜の出来事を確認するけど、怪我どころか傷一つついていなくて。
あれは夢だったんだとわかると、自然と安堵の吐息が漏れた。
「あ、あ……よ、良かった。美子ちゃん死んでない」
なんだってあんな夢を見たんだろう。
昨日、川原で美紀ちゃんが、手を伸ばして子守唄を歌っていたから?
それが原因で和田くんが死んでしまったと、心のどこかで思っていたのかな。
だからって、美紀ちゃんが私を殺す夢を見るなんて、どうかしてるよ。
身体を起こして、隣でまだ眠っている美紀ちゃんの横顔を眺めた後、窓の外を見た。
陽の光が、輝きながら窓から射し込み、気持ちの良い朝が来たのだと告げてくれている。
あんな事故さえなければ、爽やかな気分で朝を迎えられただろうに、心にモヤがかかったかのように、スッキリしない。
時計を見ると6時半。
起きるにはまだ少しだけ早いけど、完全に目が覚めてしまって、もうひと眠り……とはいかないかな。
「学校……どうなるのかな」
クラスメイトが死ぬなんて初めての事で、不安でいっぱいになっていた。
最初のコメントを投稿しよう!