呪われた邂逅

2/100
5731人が本棚に入れています
本棚に追加
/475ページ
「ああっ!……ハァ……ハァ……あ、あれ?生きてる……」 目を覚ますなり、胸に手を当てて昨夜の出来事を確認するけど、怪我どころか傷一つついていなくて。 あれは夢だったんだとわかると、自然と安堵の吐息が漏れた。 「あ、あ……よ、良かった。美子ちゃん死んでない」 なんだってあんな夢を見たんだろう。 昨日、川原で美紀ちゃんが、手を伸ばして子守唄を歌っていたから? それが原因で和田くんが死んでしまったと、心のどこかで思っていたのかな。 だからって、美紀ちゃんが私を殺す夢を見るなんて、どうかしてるよ。 身体を起こして、隣でまだ眠っている美紀ちゃんの横顔を眺めた後、窓の外を見た。 陽の光が、輝きながら窓から射し込み、気持ちの良い朝が来たのだと告げてくれている。 あんな事故さえなければ、爽やかな気分で朝を迎えられただろうに、心にモヤがかかったかのように、スッキリしない。 時計を見ると6時半。 起きるにはまだ少しだけ早いけど、完全に目が覚めてしまって、もうひと眠り……とはいかないかな。 「学校……どうなるのかな」 クラスメイトが死ぬなんて初めての事で、不安でいっぱいになっていた。
/475ページ

最初のコメントを投稿しよう!