第一章 夢と現実

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 上まで到達すると、彼女は「どうだ?楽しかったか?」と。腹の立つ皮肉を言い始めた。 「この状況を説明しろ」  俺は鋭い視線を向けるが、彼女はまったく気にする素振りをみせずに落ち着いている。 「まぁまぁ。そう怖い顔をするな。今から説明してやるから。そのまえに自己紹介からだな? 改めて私の名前は雨宮真理奈。名前で呼んでくれ。わかったな! 名前だぞ?」  説明を受けるには俺だけ自己紹介しないわけにもいかないので、渋々自己紹介をする。 「神崎大翔(しんざき ひろと)だ。どうとでも呼んでくれ」  雨宮は相変わらず無関心な俺の態度に手を叩いて笑った。  ――何がそんなに可笑しいんだ?  「きみもこの状況に驚きを隠せないだろう。少しは心が揺さぶられたかね?」  ――確かに雲に衝突する瞬間は初めて生を感じた気がしたが。 「きみの性格が変わるのは良い事だと私は思うよ。これでマインドブレイカーと言われなくすむだろうしな!」 「マインドブレイカーって何なんだよ。あとこの下の物体はなんだ」 「アハハ。きみも可笑しなやつだなぁ。この状況よりもそっちの方が気になるのか?」  俺が言葉を発しなくなると、雨宮はけらけら笑いながらもマインドブレイカーについて説明してくれた。
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