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どうやら説明によると。俺は女性の心をことごとく破壊しているらしい。
なぜなら、俺は何事にも関心を寄せることがない。勿論普通の人間なら愛してやまない恋愛にもだ。
自慢ではないが何度か女性に告白された経験はある。あまり覚えてはいないんだが……。
雨宮の説明によると、告白の断り方が適当すぎるゆえらしい。
さらにこの下の物体については『クラウディー』というマジックアイテム? らしい。
なんとも訳のわからない物だ。まぁ、このアイテ
ムのおかげで俺の命は助かったのだが――。
ついでにこのアイテムの機能としては、物体の上では風の影響を受けることがなく、いつも通りに会話などが可能だそうだ。
「その理由はわかった。次はこの状況の説明をしろ」
「逆に聞くが、君は何から聞きたい?」
「ここは何処なのか。どうやって来たのか。なぜ俺を連れてきたのか。どうやったら帰れるのか……」
「わかったわかった。そう焦るな。一つずつ教える。きみも既に気づいているだろうけど、ここはさっきまでいた世界とは別の世界。言うならば、ファンタジー小説の世界の中だ」
俺は疑いの目を向ける。しかし、普通ならばありえないことだがこの状況で言われれば反論もできないのは事実。
「理解がはやくて助かるよ。次にどうやってきたのだが。きみが持っている本のおかげだ。この本は別名スキルブック。実際には今回は私の本だがな」
「俺の持っている本ってのは、お前が屋上で無理やり押し付けてきたこの本か?」
「無理やりとは失敬な。まぁ、そうだ。見ただろう? 本の中身を。きみはでたらめだと思っていたようだがな」
俺は右手に持つ本に視線を落とし、表紙を開く。先ほどはふざけた内容だと思ったが――――
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