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若かりし頃、先輩に連れられていった飲み屋で衝撃的な出会いをした。
私の隣に座った女の子。
それまで付き合ってきた女の子には申し訳ないんだけど、どこか妥協して付き合っていた。
でも、その夜、私の隣に座った女の子は、顔、スタイル、華やかな雰囲気。
非の打ちどころがなかった。
まさに自分の理想の女の子だった。
(この子以上の子はいない!)
もちろん私もホステスさんが初めてではないので、こんな子と付き合うなんてムリムリ!むこうはお仕事!なんてわかっていた。
でも、何故か付き合うようになった。
ほどなくして、深い関係になった。
その子の部屋にも出入りする間柄になった。
その子は病弱で、仕事も出来なくなることが度々あった。
けっこうな家賃のマンションに住んでいたので、生活費に困るようになった。
「パンドラちゃん、助けて!」
当時の私は、そんなにいい給料をもらっていなかった。
私はこの子と結婚したい!って思っていたので、なんとかしたかった。
その当時、「無人君」なんて軽~いネーミングでサラ金がしきりに宣伝していた時代。
私は、サラ金で金借りるのは恐かったけれど、どうしても助けたかった私は勇気を出して借りにいった。
1社借りると、2社。2社借りると3社。
それを繰り返し、気が付くとトランプのようなサラ金のカード。
自転車操業のマニュアル通りに首が回らなくなった。
一社が引き出せなくなると、どんどんディープな金融屋を頼らざる得なくなる。
スポーツ新聞の怪しげな3行広告の車金融で10万円借りることになった。
大阪の繁華街にある雑居ビルの3階に金融屋の事務所があった。
もうその頃には、金融屋通いにもなれていたけれど、ディープな金融屋は初めてだったので、緊張していた。
中には一人の私くらいの年の、イカツイにぃちゃんがいた。
外見と相反するにこやかな対応が変に恐怖感を煽った。
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