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二人の乱れた呼吸が整った頃、留衣が肩を震わせながら泣き出して、健太はそんな留衣が心配で話しかけた。
「留衣、大丈夫か?
あのバケモノたちは振りきったから、オレたちはもう大丈夫だよ。
あいつらは、力は強いけど、動きは鈍いから、その気になれば、いつだって振りきれる。
留衣、だから心配するな」
健太がそう言うと、留衣は泣きはらした赤い目を健太に向けた。
「健太くん、私たちは来てはいけない場所に来てしまったのよ。
呪われた学園が恐ろしい場所だとは聞いていたけど、私は心のどこかでタカをくくっていたの。
呪われた学園なんて、本当はただの噂話で、死ぬことなんてないんじゃないかって……」
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