別校舎の夜(2)(健太と留衣)

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「留衣、オレたちは、後悔しても仕方がないんだ。 オレたちはもう、後戻りはできない。 オレたちは命をかけて、おかっぱ少女の呪いを解くしかないんだ。 途中で離脱することは許されない。 オレたちは、そういう約束でここに来たから……」 「たしかに健太くんの言う通りよ。 私たちは命をかけてここに来ている……。 でも健太くん、私は正直、後悔してる。 ここに来てしまったこと。 それに、ここに来る原因を作ってしまったこと。 私はどうして、お父さんとお母さんを殺してしまったのだろう?」 留衣はそう言って、すすり泣いた。 健太は、そんな留衣が弱々しく見えて、思わず留衣を抱きしめていた。 健太は不安な留衣を励ますように、留衣に優しく話しかけた。
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