16人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は、スマホの画面を見つめ、カズヤになりきって、たくさんのコメントを書く。
そのとき僕は、自分が嫌いな瀬川清人から抜け出し、理想の自分になれるのだった。
僕が冷静になって、客観的に自分を見つめると、僕は嫌悪感に包まれて、気持ちが暗く沈み、逃げ出したくなる。
デブ眼鏡の瀬川清人は、陰気で、友だちがいなくて、何の取り柄もない男だ。
僕はそんなことを考えると、自分が嫌になって、スマホの画面を見つめる。
だってそこには、瀬川清人ではないもう一人の自分が存在していたから……。
最初のコメントを投稿しよう!