瀬川清人の過ち

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僕は、公園のブランコに座っているさみしそうな女の子が、誰とも人付き合いできない僕に似ているような気がして気になった。 そして僕は、公園のブランコに座るその子をじっと見つめながら、頭の中で、僕とその子の物語を考えた。 友だちができなくて、一人さみしくブランコをこいでいる女の子に、僕が優しく話しかける。 僕は、一人ぼっちのその女の子の友だちになってあげて、その女の子をさみしさから救ってあげる。 僕が、一人ぼっちの女の子の唯一の友だちになってあげる。 そしたらきっと、その子は笑顔を見せて、僕に話しかける。 「お兄ちゃん、私と友だちになってくれて、ありがとう」って……。
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