瀬川清人の過ち

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リアルな友だちがいない僕は、ネットの世界にどっぷりと浸かっていた。 僕は常に、スマホやパソコンで情報を発信し、ネットの世界での友だちを増やしていった。 僕がつくり出したもう一人の自分、カズヤの設定は、爽やかなスポーツマンで、誰からも好かれ、信頼される男。 カズヤには、医者の父と専業主婦の母がいて、カズヤは父の病院を継ぐことを期待されている。 でもカズヤは、そんなレールが敷かれた生き方に悩んでいる。 カズヤは、偉大な父の力を借りずに、大好きなサッカーや友だちを大切にして、自分らしく生きたいと思っていた。 だからカズヤは、ときどき父とケンカした。 僕は、お父さんとは違う。 僕は、僕なんだって……。
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