瀬川清人の過ち(2)

13/40
前へ
/40ページ
次へ
「お兄ちゃんには、友だちがいないの?」 真奈の核心をついたその一言が、僕の心をさらに深くえぐっていった。 真奈の僕を見る目が、まるで不審者を見るかのような目に変わっていた。 僕はそのことに恐怖を感じながら、真奈の気持ちが、僕から逃げてしまわないように、精一杯の言葉で取り繕った。 「僕には友だちなんていらないんだ。 僕には真奈ちゃんだけいてくれれば、それでいい。 僕は真奈ちゃんと一緒にいられるときが、一番幸せなんだよ」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加